生物を構成するタンパク質の設計図の一つであるメッセンジャーRNA(mRNA)は、多くの修飾を受けることでその発現が巧みに微調整されている。本研究では、最も重要な転写後修飾であるm6A修飾を胎盤細胞で網羅的に解析した。様々な細胞で検討を行った結果、トロフォブラスト幹細胞を、extravillous cytotrophoblast(EVT)とsyncytiotrophoblast(ST)に分化させると、m6A量がEVTでは変化がなかったが、STでは有意に変化し、同時にm6A関連遺伝子も変化した。これらから、ヒト胎盤細胞の分化ではm6A修飾が重要であることが示唆された。
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