HPV(Human papillomavirus)関連中咽頭癌の前癌病変は未発見であり、早期発見が難しい癌である。子宮頸癌の知識から組織異型度が高まるとHPV粒子は減少し、癌ではHPV粒子が観察されないことが判明している。このことから、ナノスーツ法によるHPV粒子観察技術を応用することで、HPV関連中咽頭癌の前癌病変を同定できる可能性がある。また、cfDNA解析で3遺伝子(CALML5、DNAJC5G、LY6D)のメチル化解析が早期発見に有望な結果が得られている。HPV粒子解析とcfDNAメチル化解析を組合わせ、より精度の高い、早期発見のための検査法が確立できる可能性がある。
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