本研究の目的は、ヒトiPS細胞由来気道上皮を免疫不全ラットの鼻腔粘膜欠損部に移植し、鼻腔粘膜機能不全に対する治療法の基盤技術と病態メカニズム解析に必要な鼻腔粘膜ヒト化モデルを作製することである。このため、掻把部の深度や面積などの鼻腔呼吸上皮剥離条件、使用する細胞株や足場、レシピエントラットなどの移植条件の最適化を行った。確立された条件で6匹の免疫不全ラットへの移植を行ったところ、4匹のラットでヒトiPS細胞由来細胞の生着が見られ、これらヒトiPS細胞由来生着細胞は気道上皮構成細胞種を含むことが確認できた。以上、免疫不全ラット鼻腔にヒトiPS細胞由来気道上皮を生着させることに成功した。
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