本研究では難治性甲状腺癌に対する新たな治療法の確立を目指し、α線放出核種であるAt-211と分子標的薬の併用療法について検討した。我々は甲状腺癌に従来用いられるI-131とレンバチニブの併用療法について甲状腺癌モデルマウスを用いて検討し、併用療法により高い抗腫瘍効果が得られることを明らかにした。また共同研究機関から供給されたAt-211を担癌マウスに経静脈的投与し、SPECTによるイメージングと、ガンマカウンターによる各臓器へのAt-211集積を検討し、At-211の体内動態を可視化、定量化することに成功した。今後はAt-211と分子標的薬の併用療法についての基礎研究を継続する予定である。
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