研究課題
若手研究
水疱性角膜症は、角膜内皮細胞の機能不全により発症し、失明に至る疾患である。角膜内皮細胞の損失と間葉転換は、機能不全の大きな原因であり、老化やウイルス感染などの炎症をきっかけに誘導される。本研究では、ウイルス感染をきっかけにいかに間葉転換が起こりえるかを角膜内皮細胞を用いて明らかにした。また、このような炎症機転による内皮機能不全を防止しえる可能性のある標的探索を行った。これらの標的候補は将来の創薬候補となる可能性がある。
角膜感染症
角膜のウイルス感染症や炎症性疾患は、慢性かつ再発性に発症し、角膜内皮機能不全を起こす疾患である。治療には、角膜移植が必要であるが、拒絶反応リスクや再度の機能不全を起こしやすい。予防対策を講じるには、いかにこのような病態が生じるのかを分子レベルで理解する必要があるが、これまでその機序の詳細は明らかではなかった。本研究は、その機序の一端を明らかにし、新たな治療標的を探索した。この知見をもとに、開発を進めることにより、難治性角膜疾患の視力予後を改善できる可能性がある。