造血幹細胞移植は血液悪性疾患の根治療法であるが、移植片対宿主病(GVHD)が生じる可能性がある。GVHDは、全身の臓器、特に眼において炎症や線維化を引き起こし、日常生活の質や生命予後に影響を及ぼす。従来のGVHD治療法は、ステロイドなどの副作用が強い対症療法が中心である。本研究は、GVHDの自己免疫疾患様病態に焦点を当て、治療法の開発を試みる。近年の研究で、腸内細菌が免疫系に深く関与し、自己免疫疾患において重要な役割を果たしていることが明らかになった。結膜・腸内細菌がGVHD関連ドライアイと大いに関連していると考え、細菌叢の変化を通じた免疫抑制でGVHDを治療する新規アプローチを提案する。
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