研究課題
2021年度に、緑内障患者の視路白質微小構築の変化を、新しいMRI技法であるNODDI、量的MRIを用いて評価し、その結果を国内学会(第10回日本視野画像学会) および、眼科国際誌に公表した(Ogawa et al. IOVS 2022)。この研究から結論 として、緑内障の白質変化は、視索と視放線で性状が大きく異り、視放線ではICVFの変化から脱髄よりも軸索障害が主体である可能性が示唆された。そこで本年度は、dMRIで検出可能な変化は障害発生からいつの段階で発生するのか、また一度検出可能になった際には、治療により改善/回復するのかを疑問として、視覚臨界期に両眼を完全失明した40代男性の頭部MRIデータを取得し、先に報告した緑内障患者の視路白質とその微小構築を比較した。緑内障を有していても視覚入力の残る緑内障群と比較 し、視覚入力を臨界期に完全に消失し、かつ網膜神経節細胞が全損された本例の視路白質は著しく低下したFA値を示した。これらの結果と考察を国際学会で発表した(ARVO2022)。
3: やや遅れている
本年度もCOVID-19の影響により新規のMRI撮像を実施することが出来なかった。しかし、これまでに撮像して来た網膜疾患患者のMRIのデーター解析方法の検討と更新を行っている。ここで得られる治験は、広く一般化可能な領域も含まれるため、さらなる検証を加えて公表していきたい。2023年度は本研究の最終年度となるため、これまでのデータをさらに公表していく必要がある。COVID-19の状況から脱しつつあるため、新規のデータ取得を再開していく。
2023年度は本研究の最終年度となるため、これまでのデータをさらに公表していく必要がある。COVID-19の状況から脱しつつあるため、新規のデータ取得を再開していく。
COVID-19の影響から、新規のMRI撮像を行うことが出来なかった。また、多くの学会、研究会がwebによるリモートもしくはハイブリッド開催されたため、旅費の出費が著しく抑制された。このために未使用分が次年度使用額に繰り越された。今後、追加のMRI撮像を行い、学会等に積極的に参加し、老朽化した研究装備の更新を行いたい。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Journal of Glaucoma
巻: Publish Ahead of Print ページ: -
10.1097/IJG.0000000000002199
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BMJ Open Ophthalmology
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