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2021 年度 実績報告書

腎代謝に依存しない特殊表面加工したMg合金の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K18407
研究機関東北大学

研究代表者

佐藤 顕光  東北大学, 大学病院, 助教 (90623603)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワードマグネシウム合金 / 吸収性プレート
研究実績の概要

分解率の異なる二種類のMg亜鉛合金を用いて実験を行なった。まず擬似体液浸漬試験を行い、浸漬後初期にMg合金から溶出されるMg2+量、溶出率について調べた。その結果をもとに臨床上想定される以上のプレートを作成しラット背部皮下へ埋植した。1時間、5時間、10時間、25時間後(各5匹、計40匹)に屠殺し、血液、尿を含む各臓器の誘導結合プラズマ質量分析計による微量金属測定、主要代謝臓器の血液生化学検査、病理組織学的分析にてコントロール群および二種類のMg合金の差を比較検討した。擬似体液浸漬試験の結果、体液浸漬後30分が最もMg2+の溶出率が高いことがわかった。また分解速度の違いによる合金種の差は25時間まで明らかとならなかった。生体埋植試験の結果では、埋植後1時間群から血中、尿中、金属周囲組織のMg2+濃度の上昇が見られたが、臨床上異常所見は認められず、血中濃度は臨床上正常範囲内であった。合金埋植群では25時間群の大腿骨で高い値を認めた。血液生化学検査および病理組織学的分析では異常所見を認めなかった。合金周囲組織、尿以外で合金種の差による各臓器のMg2+濃度の動態に差はなかった。Mg合金は酸化被膜や腐食生成物による保護層がない状態である埋植後初期が、単位時間あたりのMg2+の溶出量が最も多くなる。今回の研究から、生体では合金から溶出されたMg2+は合金周囲組織によって素早く取り込まれ、体循環に取り込まれ腎臓から速やかに排泄されることで体内の恒常性が維持されている。また骨組織はMgの貯蔵庫としての役割があり、血中Mg2+濃度の変動に対して早期より関与し、蓄積という形でその恒常性に貢献していることがわかった。さらにラットの腹腔内にアセトアミノフェンmg /gを投与し、急性腎不全モデルを作成した。血清BUN,Creの測定し、腎不全状態は確認したが、死亡する個体もあり安定しなかった。

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公開日: 2022-12-28  

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