外傷、腫瘍切除、先天性疾患等により欠損した組織を補填するために行われる組織移植では、血流確保、すなわち血管新生確保と血栓形成防止が不可欠である。これらは別々の視点で捉えられてきたが、我々はその両方を同時に制御し、基盤となるメカニズム解明を目指した。それにより組織移植時のバイオマーカーの確立、特定の受容体を標的とした薬剤開発等につながると期待されるためである。本研究の虚血皮弁モデルでは、想定した分子が血管新生促進的に機能する可能性が示唆され、血管奇形患者血液では血栓形成への関与は不明だった。今後、同マウスモデルやヒトの相当する病態で新生血管と血栓形成および疼痛との関係について解析を行いたい。
|