本研究は光硬化性ゲルを用いた効果的な血管吻合を実現するための研究である。 第一段階は血管吻合に用いるために適切な光硬化性ゲルの開発,第二段階は,動物血管吻合モデルへの使用,第三段階はゲルに成長因子などの生理学的物質を添加することによって血管吻合部の安定の促進を目的に研究を行った。 第一段階ではゲルの構成物質の割合を変化させることにより光照射から硬化までの時間,硬化したゲルの粘性を自由に変化させることを可能とした。第二段階では動脈吻合の微小出血の止血が可能であった一方,静脈吻合では明らかに吻合部閉塞が多く生じる結果となった。第三段階では成長因子の添加による有意な結果を得ることができなかった。
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