従来の報告同様、非ステロイド系消炎剤はストレス軽減効果があることを明らかにした。とりわけ不安行動の軽減効果は顕著であった。一方、ストレスが引き起こす顔面痛の軽減効果については有意な軽減効果を認めなかった。つまり不安軽減効果をもたらす量では有効ではなく、一方、使用量を増やすとストレス誘発性の咬筋痛を軽減できたが、胃潰瘍など副作用の発現が確認された。よってこの点を克服できれば、日常的な薬物であるNSAIDSにはストレス誘発性の慢性痛を制御できることが推測できる。また脳内のCOX活性を軽減するという意味で、全身の運動療法が効果的であることから、今後は、そのような方向性で本課題を発展させる予定である。
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