本研究は、味蕾幹細胞の3次元培養技術である「味蕾オルガノイド」、および味細胞のトランスクリプトーム解析を軸に、味細胞の極性や性質を決定する要因を探索するものである。味蕾オルガノイドコロニー中で観察される味細胞の頂端部には微絨毛のマーカー分子であるvillinが発現していることがわかった。これはコロニー中で味細胞は細胞極性(味孔側と基底膜側)を獲得していることを示唆する。また、味細胞のトランスクリプトーム解析においては、FACSとBD Rhapsodyを組み合わせたトランスクリプトーム解析により、茸状乳頭と有郭乳頭の2型味細胞における特異的な発現遺伝子を見出し、学術論文として発表した。
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