ジカウイルスはアフリカ株、アジア株の2系統に大別される。我々は人工的ウイルス様粒子SRIPsを用いることで、アフリカ株がアジア株に比べて宿主細胞への侵入能が高いことを明らかにした。さらに、両株間のエンベロープ領域の1つのアミノ酸の違いがこの侵入能の差を規定することを明らかにした。 我々は神経変性疾患の1つである多発性硬化症のマウスモデルであるEAEがジカウイルス感染によって増悪化することを見出した。さらに、ジカウイルスが中枢神経系のアストロサイトに感染すると病原性Th17細胞を中枢神経系に遊走させるためのケモカインが産生されることがこの増悪化の原因であることを明らかにした。
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