研究課題/領域番号 |
20K18556
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
鈴木 絢子 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (70869916)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 光干渉式断層撮影 / 培養口腔粘膜 / 非侵襲的評価 / 品質管理 |
研究実績の概要 |
本研究では、足場材と重層扁平上皮から成る培養口腔粘膜のOCT画像から得られる情報を明らかにし、上皮形成の定量解析から的確なパラメータを設定し、培養口腔粘膜の品質管理に応用可能なプロトコールの策定を目的とする。その中で、令和2年度は、生体模倣した形状を足場材表面に付与し、培養口腔粘膜を作成後、完成した同一の培養口腔粘膜サンプルをOCTで撮影し、撮像移植用培養口腔粘膜を構成している上皮組織(口腔粘膜角化細胞)と足場材(魚うろこコラーゲンゲル)の識別検討やOCTの特徴の把握を目的とし研究を進めてきた。OCT技術を用いることにより培養口腔粘膜の断層撮像から、固定前に切り込みを入れた部位の2D画像の抽出が可能であった。また、培養途中と培養修了日に観察することにより、細胞の基底層の配列や上皮層の増殖など経時的な変化について観察できた。しかしながら、組織像とOCTを比較するための定点(切れ込み、穴)付与により外的な力が加わり、部分的に上皮剥離が生じてしまい、本来の培養技術を阻害してしまった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
OCT技術を用いることにより培養口腔粘膜の断層撮像から、固定前に切り込みを入れた部位の2D画像の抽出が可能であった。また、培養途中と培養終了日に観察することにより、細胞の基底層の配列や上皮層の増殖など経時的な変化について観察できた。しかしながら、切込みや穴を付けることにより外的な力が加わり、部分的な上皮の剥離が起きてしまった。このため、正確な口腔粘膜上皮の把握、撮像ができなかった。この改善策として、外的な力が加わらない色素を沈着する方法を選択し、再度実験に臨み、正確な識別・特徴把握を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
培養口腔粘膜の3次元的な形態の撮像は可能であったものの、組織像とOCTを比較するための定点(切れ込み、穴)付与により外的な力が加わり、部分的に上皮剥離が生じた。そのため、外的な力が加わらない色素を沈着する方法を選択し、再度実験に臨み、正確な識別・特徴把握を行う予定である。令和3年度はコラーゲンゲルに細胞播種した1枚の培養口腔粘膜を経時的にOCT撮影し、培養期間の11日間で3、7、10日目に24時間タイムラプス撮影し、3回のモニタリングに培養口腔粘膜が耐えられるか検証し、形成される上皮の定量測定を行う。令和2年度でも、培養途中と培養終了日両日の観察により、細胞の基底層の配列や上皮層の増殖など経時的な変化について観察できているため、可能であることが推察される。具体的には、撮影後に断層撮像から構築した培養口腔粘膜全体の3D画像から、上皮全体の体積を算出し、また、抽出した3ヶ所の2D画像から、上皮部分の断面積を算出する。この2次元情報から決して算出できない数値を定量解析のパラメータとして、品質評価方法として利用できるように基盤データを蓄積する
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