神経堤由来細胞がEGFP標識された口蓋創傷治癒モデルマウスにて治癒経過を観察した。創傷後2日目より神経堤由来細胞を含む粘膜の新生が認められ、28日目には全体が新生粘膜で覆われた。新生粘膜の神経堤由来細胞には幹細胞マーカーおよびケラチノサイトマーカーが発現していた。培養前の口蓋粘膜細胞は約40%の神経堤由来細胞を含んでいたが、幹細胞用培地で培養すると約90%に増殖した。そのうち約70%が幹細胞マーカーを発現し、これらの細胞はケラチノサイトおよび骨芽細胞に分化した。口蓋には神経堤由来幹細胞が存在し、それらが創傷治癒過程でケラチノサイトに分化することで口蓋粘膜再生が進行すると考えられる。
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