研究実績の概要 |
近年閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)は, 日中傾眠による仕事の能率低下で生活に支障をきたすだけでなく, 高血圧, 糖尿病, 虚血性心疾患, 脳血管障害等の生活習慣病をも悪化させるため,社会的な注目度が高まっている. OSAに対する治療は, 医科で行う持続陽圧呼吸(CPAP)治療が主流だが, 近年歯科で行う口腔内装置(OA)治療の有用性が医科においても認められつつある. 糖代謝においてOSAで引き起こされる間欠的低酸素と睡眠分断が, 交感神経の活性化, 酸化ストレスの亢進, 炎症反応の上昇を介して, インスリン抵抗性の上昇を及ぼし, 糖尿病の発症や悪化への影響が報告されている. OSAと2型糖尿病を併発している場合, CPAP療法を行うことで, インスリン抵抗性の改善や血糖値の低下を認めたと報告はあるが, 口腔内装置(OA)療法による報告は未だない. そこで本研究では, OAが主に適応とされる軽度・中等度OSAを対象に, OA療法を行いインスリン抵抗性や血糖の変化を評価することを目的とする.2020年度は, 研究に用いる評価装置を導入し, 使用するためのチュートリアルを受けた. また分析に必要なパソコンを購入し, 研究を行う準備を行った. その後は予備実験を行い, 研究計画のブラッシュアップを行った. 得られた結果を参考に当初の研究計画を修正し, 現在倫理審査の申請中である
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