研究課題
若手研究
ニッケルに対する歯科金属アレルギー動物モデルを作成し、アレルゲンの侵入部位および機序を明らかにするため、腸管透過性および腸管免疫の変化について解析を行った。また歯周病併発歯科金属アレルギー動物モデルを作成し、歯周病と歯科金属アレルギーの関連について検証を行った。これらの結果、歯周病原細菌の影響によって、歯科金属アレルギー発症による皮膚症状が増悪することが確認され、歯周病と歯科金属アレルギー関連疾患との関連性が示唆された。歯科金属アレルギー発症機序の起点の同定にはさらなる検証が必要である。
歯科補綴学
本研究成果から、歯周病と歯科金属アレルギー関連疾患との関連性が示唆され、歯周治療によって歯科金属アレルギー関連疾患の症状を軽減できる可能性が示唆された。一方で、歯周病と歯科金属アレルギーの発症との関連についてはさらなる検証が必要である。金属補綴修復物と歯周病による免疫寛容の破綻が歯科金属アレルギー発症機序の起点になるか否かを明らかにし、金属の体内侵入経路とその機序を解明することは、治療標的を明らかにし、歯科金属アレルギー関連疾患の症状寛解に有効な歯科処置のエビデンス構築に貢献することができる。