ノセボ効果は患者さんの治療に対する悪い予感によって生じる副作用の出現や、治療時の痛みの増強、治療効果の抑制などのことで、多くの医療分野においてその重要性が注目されている。歯科においては、鋭い道具や音などノセボ効果の原因となりうるものが多いが、ノセボ効果に関しての研究は十分に行われていなかった。本研究では、歯科においてもノセボ効果が存在しうること、研究する必要性について示した総説と、智歯抜歯後の疼痛に対する鎮痛薬の臨床試験におけるプラセボ群においても副作用が生じることを示したメタ分析を発表した。今後臨床研究でノセボ効果の発生のメカニズムや予防法について検証していく。
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