歯の発生は上皮-間葉相互作用により形成されることが知られており、上皮細胞と間葉細胞の間に介在する基底膜は、様々なシグナル伝達を調節する上で重要な足場であると考えられる。本研究では、歯の基底膜に発現するネフロネクチン (Npnt)のC末端側に存在するRGD領域の機能解析を行った。Npnt-FLおよびNpnt-ΔEGFを発現させた歯原性上皮細胞株M3H1において、エナメル芽細胞分化マーカーであるAmeloblastinの発現が誘導されたが、Npnt-ΔRGDでは認められなかった。以上の結果から、NpntのRGD領域はエナメル芽細胞分化に重要である可能性が示唆された。
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