研究課題
若手研究
本研究では、矯正治療のために上顎急速拡大装置を使用した患者のうち、鼻腔通気障害のあるものを対象に治療前後の鼻腔通気状態を評価した。鼻腔通気状態はCT画像から気道の3次元モデルを作成し、流体解析ソフト(モデルの中でどう空気が流れるかを分析する)を用いて評価した。本解析の結果によるとある一定以上の通気障害があるものに対しては上顎急速拡大によって改善効果が期待できることが示唆された。
小児歯科
睡眠時無呼吸症候群は成人だけでなく、小児でも発生する疾患である。小児においては、日中の眠気や集中力の低下のみならず、発達障害に関与する場合もある。重症例ではその治療方法について、多くは扁桃摘出術や外科的矯正治療による改善を目指すことになる。一方で、上顎急速拡大は鼻腔通気状態を改善するという報告があり、本研究はその有効性を検証するものである。本研究で、上顎急速拡大の鼻腔通気状態に対する効果が明らかになれば、新たな治療方法として選択肢の一つになる得ると考える。