歯の外傷では、受傷歯の歯根膜組織や周囲の歯槽骨の損傷を生じることが多い。外傷後の治癒過程は複雑で、低酸素環境に暴露された歯根膜細胞がどのような機序で組織再生、病的な歯根吸収に関与するのかについては不明な点が多い。本研究では低酸素培養した歯根膜細胞でANG、VEGFのmRNA発現は増加しCREB、SETD8の発現は減少することを見いだした。さらに通常培養後にDMOG処理を行った場合、ANG及びVEGF発現は増加しCREB及びSETD8減少し、低酸素培養と同じ結果になった。以上のことから低酸素下におけるANG、VEGF、CREB、SETD8発現の変動はHIF-1αを介している可能性が示唆された。
|