研究課題
若手研究
本研究は、放射線治療患者を対象として、放射線照射による味覚障害の発症とその回復過程のメカニズムについて探索を行った。舌癌に対して小線源治療を受けた患者10名のデータから、放射線治療後に味覚が回復した期間は甘味で284日、うま味で308日、苦味で308日であった。味覚受容体発現に関しては、放射線治療直後は、甘味、うま味、苦味のすべての味覚受容体は、舌の放射線治療側で発現量が多かったが、その後、経時的に舌の放射線治療側と非放射線治療側の味覚受容体発現量の差は少なくなる傾向を示した。
歯科放射線学
今回の研究では、舌癌に対して小線源治療を受けた患者を対象として、放射線治療による味覚障害についてその発症メカニズムと回復過程について調査を行った。今回の研究結果から放射線治療後、約300日程度で味覚は回復することがわかった。味覚障害について細胞レベルでの調査も行ったが、味覚障害のメカニズムを解明できるだけのデータは得られなかった。