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2021 年度 実施状況報告書

保健医療分野におけるへき地尺度の開発とへき地臨床研究ネットワークの設立

研究課題

研究課題/領域番号 20K18847
研究機関横浜市立大学

研究代表者

金子 惇  横浜市立大学, データサイエンス研究科, 講師 (80825076)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードへき地医療 / へき地尺度 / 医療資源 / 医療へのアクセス / 地理的格差
研究実績の概要

当初の予定通り研究を遂行した。以下、概要を示す。へき地尺度に関するスコーピングレビュー及び研究者や住民などのステークホルダーで作ったエキスパートパネルでの議論を元にへき地尺度の候補となる項目を同定した。同定された16の項目を用いてへき地の医療者、行政職員、住民など100名を対象とした修正デルファイ法を行い4項目を抽出した。4項目は郵便番号界毎の人口密度、直近の二次及び三次救急病院までの直線距離、離島か否か、特別豪雪地帯か否かであった。その4項目を用いてへき地尺度を作成し、内容妥当性、因子妥当性、収束的妥当性、基準関連妥当性を検証し、良好な妥当性を確認した。
具体的には、内容妥当性としてはエキスパートパネルでの議論を行い、因子妥当性としては因子分析で因子構造の確認を行った。そして、収束的妥当性として医師偏在指標との相関、基準関連妥当性として平均余命との相関を確認した。医師偏在指標との相関は相関係数-0.45、男性の平均寿命との相関は-0.35、女性の平均寿命との相関は-0.12であった。
郵便番号界毎、市区町村毎、二次医療圏ごとにへき地尺度を示した地図を作製した。また、既存の指標である過疎地域、条件不利地域を参照基準としてへき地尺度のカットオフを設定した。更に本尺度を用いた臨床研究を推進するために、へき地医療の研究に関心がある医療関係者を中心とした研究ネットワークを設立し定期的に情報交換を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通りの進捗で現在論文投稿中である。また、本研究は第13回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会において、若手研究奨励賞である日野原賞の候補演題となっており、2022年6月に同学術大会で口演を行う予定である。同時に、同学術大会内で本尺度に関連するシンポジウムを2本予定している。更に、本尺度の使用を促進するためにウェブサイトを作成し尺度の使用を希望する際の問い合わせ先を設けた。

今後の研究の推進方策

現在、論文化し学術雑誌に投稿中である。学術雑誌への掲載が決定した後に、研究目的での尺度使用を希望する方のために無償で配布するマニュアルを作成し、尺度を通じたへき地医療の研究を推進していく。更に、へき地医療に関心のある医療者による研究ネットワークのメンバーと協力し、へき地医療において必要な医療スキル、へき地尺度を用いた地域間格差の記述などの臨床研究を行っていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

現在投稿中の論文の掲載費用及びへき地尺度を用いた発展的な研究の実施に用いる予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Western University(カナダ)

    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      Western University
  • [学会発表] デルファイ法を用いた医療分野における日本版へき地尺度の開発及び妥当性の検証2022

    • 著者名/発表者名
      金子 惇, 池田 登顕, 井上 真智子, 杉山 賢明, 斎藤 学, 太田 龍一, Upul Cooray, Evelyn Vingilis, Thomas Freeman, Maria Mathews
    • 学会等名
      日本プライマリ・ケア連合学会学術大会
  • [備考] Primary Care Research Unit

    • URL

      https://pcru-kanekolab.studio.site/

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公開日: 2022-12-28  

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