研究課題/領域番号 |
20K18848
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
木下 文恵 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (40775855)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | データマネジメント / データエラー / レジストリ |
研究実績の概要 |
本研究は、データエラーの観点から、より効率的なレジストリのデータ管理手順を構築することを目的としている。具体的には、データエラーが統計解析結果に及ぼす影響を統計学的に検討するとともに、データ管理、解析手法等について検討する。 本年度は、昨年度に引き続きデータエラーに関する調査をより詳細に行った。結果、多くのデータエラーが日付や関連項目などの他項目との矛盾があったことで検出されており、またアウトカムのデータ自体を修正した件数が多いことが示された。クリーニングの結果、解析対象外であることが判明したデータもあった。それらの結果を基に、アウトカムが二値の場合、生存時間の場合を想定し、様々な条件においてエラーを発生させてシミュレーションを行い、どの程度検出力が下がるか検討した。アウトカムが生存時間の場合、ハザード比を変化させても、イベントの有無におけるエラーが1%程度までであれば検出力の低下も1%以内に収まっていた。他に生存時間自体のエラー等についても検討のためのプログラムを作成した。 また、レジストリに関する文献レビューも引き続き行った。さらに、実際の観察研究における大規模データのデータクリーニングを行う過程において、検出されたデータの疑義を整理し、効率的なデータ管理方法や留意点について検討を行った。 引き続き、シミュレーションの結果について体系的にまとめて発表していくとともに、具体的なデータ管理方策についても検討して報告していきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
シミュレーションの条件設定等に予想より時間がかかったことや、レジストリのデータ活用について指針や議論が急激に進んでいることから、それらの情報を取り入れて検討を行うために時間がかかったため、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
実施したシミュレーションの結果を体系立てて整理するとともに、データ管理手法について具体的に検討を進め、報告を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会参加による情報収集や打ち合わせのための旅費を予定していたが、COVID-19の影響でオンライン開催となったため未使用額が生じた。来年度、発表等に用いる予定である。
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