研究課題/領域番号 |
20K18870
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
野村 理 弘前大学, 医学研究科, 助教 (20866222)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 感情 / 達成感情 / 制御価値理論 / ラーニング・サイエンス / 医学教育 / 医療者教育 / 臨床推論 |
研究実績の概要 |
本研究の初年度(令和2年度)は、研究責任者の所属大学の医学生が参加する臨床推論演習を研究フィールドとして医学生の感情データ収集がなされる予定であった。しかしながら、令和2年度は新型コロナウイルスのパンデミックにより、低学年医学生への授業形態がオンライン教育に移行されたり、高学年医学生への臨床実習が一時期中断されたりするなどにより、研究環境が大きく変化した。また、パンデミックが収束した段階においても、三密(密集、密接、密閉)を回避するため、従来の大講義型授業ではなく小グループ基盤での臨床推論教育が中心となったため、本研究のデータ収集も当初の計画よりも小規模なものとなり、現時点において予定していた医学生100名程度からのデータ収集の半分程度(約50名)の進捗となっている。一方、この間に次年度のデータ収集を効率よく進めるための研究体制の構築を進め、次年度上半期には当初予定のデータ収集を完了できる見込みである。さらには、再度の新型コロナウイルス感染拡大により医学生を対象としたデータ収集が困難となる可能性も考慮し、医師を対象とした研究環境も構築し、データ収集を開始し、現時点で延べ70名程度のデータが集積されている。 また、令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響により、予定通りの研究進捗が見込めない状況であった。そのため、研究の論理基盤をより強固にすることに焦点を当て、本研究の構想段階で実施したパイロット研究の成果について英語論文を執筆し、医学教育の主要国際雑誌に受理に至り、R3年度春ごろに出版される予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症感染拡大のために、データ収集セッティングとして予定されていた医学生への臨床推論教育環境が制限され、計画に比してデータ収集に遅滞が生じた。これに対して、本年度後半に、研究体制の再構築を行ったため次年度には予定の進捗に到達できるものと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度の予定は、当初計画された数の医学生から感情のデータを収集し、解析を行い論文執筆することである。また、当初の計画段階では、次年度から調査施設を多施設に拡大し、研究知見の一般化を目指す予定であったが、新型ウイルス感染症の流行状況によっては、調査対象を多施設の医学生に広げるのではなく、研究責任者の所属施設の多職種(医師、看護師等)に拡大することで、職種のレベルでの一般化を図ることも検討する。また、研究の理論基盤を強固するために、海外の共同研究者と総説の英語論文に発表し、国内外の医学教育研究者と本テーマについて積極的な議論を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響により、データ収集が小規模となり、当初予定の物品費を要さなかった。次年度は計画時の額を使用することとなる。
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