研究実績の概要 |
本研究は、日本の精神医療において広がりつつある訪問診療の有効性、役割、限界を明らかにすることを目的としている。 これまでに、研究プロトコルの作成、1診療所における研究対象者のエントリー、得られたデータの入力、解析をおこなった。 研究対象者のなかには、訪問診療を継続する前後でGAFが大きく変化した方々が含まれていた。また、他の支援サービスを利用していなかった研究対象者のなかに、他のサービス、特に訪問サービスの利用につながった方々が多く含まれていた。また、研究の背景をなす日本の精神科訪問診療についてのレビュー論文を執筆し(Jun Iwatani, Junichiro Ito, Yukiko Taguchi, Tsuyoshi Akiyama. “Recent developments in Community-Based Mental Health Care in Japan: A Narrative Review”. Consortium Psychiatricum 3(4) 63-74)、そこで得られた知見をもとに研究計画を再検討し、研究の効果の仮説及び、その背景因子、介入因子を見直した。 しかし令和5年度は、研究代表者の親族の介護、及びその他の業務の多忙のため、研究計画の遅延が生じた。そのため、令和5年度で終了する予定であった補助事業期間を延長し、令和6年度を最終年度とすることとした。
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