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2020 年度 実施状況報告書

数理モデルによるデングワクチンの最適利用戦略

研究課題

研究課題/領域番号 20K18953
研究機関京都大学

研究代表者

林 克磨  京都大学, 医学研究科, 特定助教 (90866039)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードDengue / Vaccine / Policy making / Mathematical model / epidemic
研究実績の概要

本研究は2017年にフィリピンにおいて大規模接種を行ったデングウイルスに対するワクチン(Denguevaxia)に対して、予期せず生じた副反応により、接種が中断してしまっている現状に対して、副反応を最小に抑えつつ、国内のデング関連負荷を最小にすべくワクチン接種戦略の開発及び、それを日本を含む先進国へ一般化する事で、ワクチンの最適使用戦略を開発するための研究である。
初年度となる令和2年度は、主に、文献の探索及び、Denguevaxiaにより引き起こされるAntibody-Dependent Enhancementを加味した数理モデルを用いたシミュレーション研究を一編論文投稿する予定であったが、COVDD-19感染症の拡大に伴い、論文執筆が滞り、現在投稿には至っていない。
一方で、COVDD-19の研究に関連して、デングウイルスと気温の関係、COVID-19の伝播と気温の関係に関して世界的に研究が進められており、そのまとめとして、和文雑誌オペレーションズリサーチ(第66巻第4号)に総説を投稿した。
現在COVID-19の流行が各国で進んでおり、かつ、COVID-19のワクチン接種オペレーションが各国様々は方法で進んでいる。東南アジア各国では、デング熱による国内負荷はいまだ地域によってはCOVID-19よりも大きい地域もある。COVID-19の影響で麻疹風疹などの基本的なワクチン接種行政が滞る中、デングワクチンに関しては、その副反応のみならず、ワクチン忌避運動への対応を含めた新たなオペレーション戦略が必要であり、現在、それら行政介入のオペレーションについて各国の情報を収集しており、今年度(令和3年)の研究に盛り込む予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19の国内流行により、本研究の他に、厚生労働省クラスター対策班(参与身分)として、日本国内のCOVID-19感染制御のための分析業務を行う必要が生じたため、研究に割くはずであった時間が取れなかったため。また参加を予定した国際学会についても、COVID-19の影響で開催中止となり、情報収集に遅れを生じたため。

今後の研究の推進方策

上記、厚生労働省クラスター対策班(現疫学分析班)の業務をしつつ、国内国外のCOVID-19に関する疫学情報の収集をしている傍ら、各国のCOVD-19に対する最適ワクチン接種戦略など様々な論文が出ており、これはデングワクチンに関しても参考になった。
尚且つ、東南アジアの各国では、social-distanceは、デング感染症の減少に寄与しなかったことが確認されており、COVID-19とデング感染症の両方の負荷がかかっている状態であり、この両方に対応する行政の戦略が必要となっており、研究テーマとしては、当初よりもホットトピックとなっている。
以上より、今年度はCOVID-19とデング感染症の両方に対して、流行制御を行えるワクチン接種戦略についての数理モデル研究を展開していく予定である。なお、厚生労働省の分析業務は、2020年よりも随分と様々な研究者に分担化されたため、研究代表者が所属する研究室(京都大学環境衛生学:西浦博研究室)の分担も多少減り、本研究に割く時間は捻出できると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 感染症の伝播と気候変動2021

    • 著者名/発表者名
      林克磨、西浦博
    • 雑誌名

      オペレーションズリサーチ

      巻: 66 ページ: 207-2015

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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