研究成果の概要 |
近年, パソコンやスマートフォンなど電子機器の利用が普及している. 個人所有のデバイスを利用し, 医学研究におけるデータ収集と管理, リアルタイムの簡易集計と経時的表示機能を有するウェブベースのソフトウェアを開発した. 本システム上では回答された情報について分析, モニタリング, フィードバックが行われる. 回答者に対し結果をフィードバックするためには, その経時的変化の解釈に必要な基準値(最小重要差)をあわせて表示する必要がある. 本研究では, ウェブシステムの開発と並行し, 全身性エリテマトーデス患者を対象として実際に経時的データを収集することにより最小重要差を算出した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SLEに広く使用される生活の質(QOL)尺度の最小重要差を確立することには, 今後のQOL研究や新薬の効果を調査する臨床試験の解釈の指標を提供するうえで重要な価値がある。このような指標は臨床現場においても副腎皮質ステロイドの投与量を調整するための指標としても役立ち得る。オンラインでQOL調査が完了できれば, COVID-19および季節性インフルエンザ等の感染流行期にも病院を訪れる必要がなくなり, 調査機会の逸失を低減できるという利点がある. 即時フィードバック機能を備えることは回答のモチベーションを高めさらなる精緻かつ妥当な将来のQOL研究の実施に繋がることが期待できる.
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