研究課題/領域番号 |
20K19026
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研究機関 | 宮城大学 |
研究代表者 |
勝沼 志保里 宮城大学, 看護学群, 講師 (10794323)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 災害 / 応急仮設住宅 / 循環器疾患 / セルフモニタリング / 看護援助モデル |
研究実績の概要 |
本研究は、自然災害により自宅を失い、応急仮設住宅(以下、仮設住宅とする)で暮らす循環器疾患をもつ人のセルフモニタリングパターンを明らかにし、災害支援活動を担う看護職者が循環器疾患をもつ人のセルフケアの自立を目指して行う、看護援助モデルの開発を目指す研究プロセスの一部である。 2021年度は、2020年度に実施予定であった半構造化面接によるデータ収集が、新型コロナウイルス感染症流行により実施困難になったため、新たなデータ収集は行わず、2017年度若手研究(B)研究課題「東日本大震災後長期避難生活における循環器疾患をもつ人の身体認識の構造化(課題番号17K17405)」の研究で協力を得られた8名と、その後に協力を得られた1名のデータの分析を見直し、仮設住宅で暮らす循環器疾患をもつ人のセルフモニタリングパターンを明らかにした。セルフモニタリングパターンの抽出は、質的記述的分析により、災害後の時間経過と災害に伴う暮らしの場でのセルフモニタリングの特徴を見出し、セルフモニタリングのタイプとして分類・命名した。セルフモニタリングのタイプを災害後の時間経過と災害に伴う暮らしの変化に着目し、災害に伴う暮らしの変化におけるセルフモニタリングパターンとして、3つのパターンが抽出された。抽出された3つのセルフモニタリングパターンに基づき、文献検討による必要な看護援助を検討・抽出した。この研究結果をもとに、災害支援活動を担う看護職者が循環器疾患をもつ人のセルフケアの自立を目指して行う、看護援助モデルの考案に向けてモデルの構成要素となる、具体的な看護援助を明らかにするために、文献検討および災害支援の経験をもつ看護職者へのインタビューによるデータ収集に向けて、研究計画書の作成ならびに、所属機関の研究倫理専門委員会への申請の準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年の研究開始年度は、新型コロナウイルス感染症の流行により、予定していた研究対象者への半構造化面接によるデータ収集を行うことができなかったため、研究計画の再考が必要になった。このため、2021年度は2020年度に実施できなかったデータ収集に代わり、新たなデータ収集は行わずに、2017年度若手研究(B)研究課題「東日本大震災後長期避難生活における循環器疾患をもつ人の身体認識の構造化(課題番号17K17405)」の研究で得られたデータの分析を見直した。これに伴い、2021年度に予定していた、看護援助の構成要素の抽出・看護援助モデルの試案の作成・妥当性の検討までに至っておらず、研究全体の進捗に遅れが生じている。現在までの進捗状況として、看護援助の構成要素の抽出に向けて文献検討および、災害看護支援の経験をもつ看護職者へのインタビューに向けて研究計画書の作成、所属機関の研究倫理専門委員会申請に向けて準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、看護援助の構成要素の抽出に向けて文献検討および、災害看護支援の経験をもつ看護職者へのインタビューに向けて研究計画書を作成し、所属機関の研究倫理専門委員会に申請する。文献検討およびインタビューにより得られたデータを分析し、看護援助モデルの構成要素となる具体的な看護援助を抽出し、モデルの試案を作成する。モデルの試案をもとに、災害看護の専門家や実践家との討議を通して、看護援助の実践可能性やモデルの妥当性について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究全体の進行の遅れに伴い、予算の執行も予定通り行うことができなかった。2021年度は新型コロナウイルス感染症流行に伴い、新たなデータ収集を行うことができなかったため、データ収集のための旅費、研究協力者への謝金、テープ起こし代、データ分析のためのノートパソコンの購入、分析結果を考察するための文献代を執行することができなかった。2022年度は、看護援助モデルの試案に向けた看護職者への遠隔での面接調査を実施するための機器(ノートパソコン、周辺機器、オンライン会議用アプリケーションの契約)、研究協力者への謝金、テープ起こしの予算を執行する。
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