身体疾患の治療中にせん妄や精神症状(抑うつや不眠)を発症すると、予後が悪化したり、認知症を発症する危険性が高まることが指摘されてきました。リスクが高い方に重点的な支援を提供し予防することが理想ですが、高齢化が著しい本邦では大半の入院症例がハイリスクに該当してしまうため、真にケアを要する患者が識別可能な客観的指標が求められてきました。本研究により、活動量計であるアクチグラフで計測可能な日中の活動量の低下が、せん妄リスクを高める抑うつの発症と関連する可能性が示唆されました。入院後に低下しやすい活動量の低下を予防することが精神症状を改善し、せん妄や身体疾患の予後改善に関連する可能性が示されました。
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