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2021 年度 実施状況報告書

乳がん患者が子どもに病名を伝える苦悩の体験

研究課題

研究課題/領域番号 20K19058
研究機関石川県立看護大学

研究代表者

瀧澤 理穂  石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (00832932)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード乳がん / 親子 / 告知 / 体験 / 対話
研究実績の概要

本研究の目的は、子どもに病名を伝えることに悩むがん患者と研究者が相互作用的な対話を行ったならば患者が自身の悩みについてどのような方向性を見出していくかその体験を明らかとし、子どもに病名を伝えることに悩むがん患者へのケア方法を検討することである。
本年度は、乳がん患者が子どもに伝えることを困難とする理由や告知状況について把握することを目的としたアンケート調査と、その結果を踏まえて子どもに伝えることに悩む乳がん患者を対象とした面談調査を行った。
アンケートの結果からは、回答者の約4割が具体的な病名について子どもに伝えていない状況にあることがわかった。また子どもに伝えていない理由として、学童期の子どもに対しては「病気について理解できないこと」、思春期以上の子どもに対しては「子どもの学校行事や受験などの伝えるタイミングに悩んでいること」などが挙がった。
これらの結果を踏まえ、子どもの発達段階における特徴に配慮しながら、子どもに伝えることに悩む乳がん患者を対象に面談を行った。現在、11名との面談が終了し、個別分析に取り組んでいる。面談では、子どもに病名を伝えられないまたは伝えたくない理由や子どもとの関わりについての悩み、また病気についての自身の受け止め方、人生観や子育ての考え方などについて語られていた。今後、研究計画に基づきデータ収集を進めるとともに、対話内容の個別分析と全体分析を行う予定である。
また、研究対象者の面談が困難な期間においては、文献検討の内容を論文にまとめるとともに、立場を変えて子どもに病名を伝えることに悩む患者を支援する看護師にアンケートを実施した。看護師側からの支援の苦悩も明らかとすることで、本研究の重要性が再認識された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度、新型コロナウイルスの感染拡大の影響にて、研究協力者(医療者)の業務負担増大に伴う対象者の選定困難さや、研究協力施設(病院)への立ち入り制限があったため対象者の確保が難しい状況であった。今年度より研究協力施設を拡大し、郵送やオンラインでの研究依頼を行ったにより対象者の確保が可能となったが、データ収集期間が予定より半年ほど延長したため、その分の分析も遅れている。
しかしデータ取集の遅延期間を利用して、文献検討を重ねて理解を深めると共に、患者を支援する看護師側の視点から研究の拡充を図ることでスキルアップに努めた。

今後の研究の推進方策

現在、対象者は目標最低人数には達しているが、さらにデータの信頼度を高めるため引き続きデータ取集を行っていく。またこれまでの面談内容の個別・全体分析を進め、論文作成を行う。

次年度使用額が生じた理由

学会費の旅費代を予算に計上していたが、予定していた学会が全てオンライン開催となったため、旅費が発生しなかった。今年度、参加を予定している学会は会場開催であり、学会参加費や論文作成代などでの使用を検討している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 乳がん患者が子どもに病気について伝えることを控える理由に 関する文献検討2022

    • 著者名/発表者名
      瀧澤 理穂
    • 雑誌名

      石川看護雑誌

      巻: 第19巻 ページ: 86-91

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 乳がん患者が子どもに病名を伝えることに関するアンケート調査2022

    • 著者名/発表者名
      瀧澤理穂
    • 学会等名
      日本がん看護学会

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公開日: 2022-12-28  

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