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2022 年度 実施状況報告書

乳がん患者が子どもに病名を伝える苦悩の体験

研究課題

研究課題/領域番号 20K19058
研究機関石川県立看護大学

研究代表者

瀧澤 理穂  石川県立看護大学, 看護学部, 助教 (00832932)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード乳がん / 親子 / 告知 / 体験 / 対話
研究実績の概要

本研究は、子どもに病名を伝えることに悩む乳がん患者の悩みに焦点を当てた対話を行い、その患者の体験を明らかにすることを目的とする。子どもに病名を伝えることに悩む患者の体験を理解することで、子どもに自己の病名を伝えることに悩む患者への介入方法の手がかりを得る資料となる。悩みを抱く複雑な人間の内的世界を解明するには、人間の行為が意味・解釈を通じて形成されると考え、対象者の見地に立って、対象者の内的世界を探ろうとする解釈パラダイムに依って立つ必要があると考えた。そこで、今回は解釈学的・現象学的アプローチに基づいた対話を用いて、対象者の世界を探ろうと試みた。
研究対象者は子ども(18歳未満)に病名を伝えることに悩む乳がん患者11名で、幼児期、学童期、思春期の子どもを1名~4名養育していた。病気や通院に関する説明は子どもの発達段階に応じて判断していたが、兄弟間で隠し事を作るのを避けたいなどの理由により、長子だけに病名を伝えているということはなく、全ての子どもに病名は伏せていた。そのため、子どもの発達段階に関連した患者の悩みの特徴に焦点を当てるのではなく、患者がなぜ子どもに伝えることに悩んでいるのか、どのような思いを抱きながら子どもに関わっているのかに焦点を当て参加者の全体像をつかむように分析を行った。
その結果、子どもに病名を伝えることに悩む乳がん患者は5つの局面を辿ることがわかった。また、子どもに病名を伝える意思を示した患者と今は子どもに伝えない意思を示した患者との2つのパターンにわかれていった。患者は母親としてどうすべきかという思いと、ひとりの人間としてどうしたいかという思いの間で葛藤し、悩み揺れていたことが明らかとなった。
本研究の結果は博士論文にまとめ、研究の一部を国際学会で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルスの感染拡大の影響にて、研究協力者(医療者)の業務負担増大に伴う対象者の選定困難さや、研究協力施設(病院)への立ち入り制限があったため対象者の確保が難しい状況であった。しかし、オンラインでの面談を導入することにより、データ収集期間が予定より半年ほど延長したが、目標とする対象数を確保することができた。

今後の研究の推進方策

今年度は、学術雑誌への論文投稿と学会発表を目標とし、研究成果の公表に向けて準備を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

国際学会で発表するため海外出張の旅費代を予算に計上していたが、開催地が国内となったことや、その他の学会もオンライン開催となったため、旅費代が下回った。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Experiences of breast cancer patients who worry about telling their children about the disease2023

    • 著者名/発表者名
      Riho Takizawa , Tomoe Makino
    • 学会等名
      26th East Asia Forum of Nursing Scholars Secretariat 2023
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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