研究課題/領域番号 |
20K19100
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
池田 直隆 大阪市立大学, 大学院看護学研究科, 特任講師 (20771306)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 腎移植 / 自己管理 / 健康関連QOL / 生体データ / 医療費 |
研究実績の概要 |
免疫疫抑制剤による易感染状態や拒絶反応のリスクを持つ腎移植患者は、QOLの維持向上を図るため適切な自己管理行動が必要となる。しかし、自己管理行動がQOL(健康関連QOL)と生体データ(腎機能、BMIなど)、医療費(出来高医療費)にどう影響しているか明らかにした研究はない。本研究の目的は、腎移植患者における自己管理行動がQOLと生体データと医療費に及ぼす影響を3年間の追跡調査によって明らかにすることである。 本研究の対象者は、2018年6月時点で腎移植外来に通院する腎移植患者全数であり、そのうち研究協力の得られた132名を分析対象とする。データ収集方法は記名式の自記式質問紙調査と電子カルテデータ・レセプトデータの収集である。健康関連QOLの測定と生体データの収集は質問紙調査と電子カルテから、2018年6月、2019年6月、2020年6月、の3地点で入手することが出来た。レセプトデータの収集は、申請者が医事運営課保険担当より2018年6月~2021年3月まで入手する事が出来た。 収集したデータ項目は、対象者の基本属性(性別、年齢、身長、体重、ドナーソース、急性拒絶反応経験、移植前透析期間、移植後経過期間、合併症の有無)、健康関連QOL、生体データ(BMI、血圧、血糖値、中性脂肪、腎機能)、医療費として、医科点数表による出来高情報(EF統合ファイル)である。 分析は統計ソフトを用い、2020年度は予備的解析を進めることができた。その結果、本研究の対象者では、適切な自己管理行動の実行がQOLの向上と生体データの維持に効果を及ぼすことが示唆された。このことから、腎移植患者の適切な自己管理行動を支援するためには、看護活動の基盤となるエビデンスを取得して明確にする必要があると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りデータを収集し、予備解析を進められているため。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画どおり、データ収集と解析を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究必要物品の購入とレセプトデータ抽出の費用が当初予定と異なったためである。データ収集は計画通りに進行しており、翌年度もレセプトデータの抽出とその分析に取り組む予定である。よって、分析調査にかかる物品等の購入が必要となる。翌年度分として請求した助成金については、論文の作成にあたり、必要な文献の取り寄せや書籍の購入のために使用する予定である。
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