研究実績の概要 |
本研究は、学童保育における高齢保育ボランティアと学童の対話場面を観察し、社会関係資本(ソーシャルキャピタル;SC)の内実とその形成過程を明らかにすることを目的としているが、コロナ禍にあって、参与観察ができない状況にあったため、研究に先立ち、学童保育ボランティア組織の立役者である民生委員を対象に、民生委員の居住区に対する認知的ソーシャルキャピタル(SC)の特徴について、質問紙調査を実施した。SCは、個人の帰属する社会や文化、状況によって規定されることより、地域の健康レベルが低いほど民生委員に対する期待が大きく、SCの認知も高くなると予想し,介護認定率と委員の活動,民生委員の居住地域に対する健康認識,SCとの関連を検討した(2020年10月から2021年3月, n=120) 分析にはSPSS ver.28を使用した。その結果、住民が健康であると感じている民生委員は、認知的SCが高く(p<.05)、認知的SCが高い民生委員は、民生委員活動年数が長い(8年以上)傾向が明らかになった。以上の結果から, 高齢保育ボランティア従事したりコーディネート役である民生委員は、SCの発展と、住民の健康に関心を向けているおり、地域の健康に正の影響を与えてることが予想された。(本研究結果は第19回ヨーロッパ老年医学会において発表した。Relationship between Cognitive Social Capital by Local Welfare Commissioners and Certification Rate of Long-term Care Need of Local Residents. European Geriatric Medicine Society (EuGMS)19th Congress, 2023年9月20日 - 2023年9月22日)
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