高齢化社会に突入している本邦においては高齢者の摂食嚥下障害への対策は非常に重要であり,摂食嚥下障害では嚥下反射中の舌骨挙上が障害されることが多い.舌骨を挙上させる舌骨上筋群に対する電気刺激療法の有効性は証明されているが,疼痛のために十分な刺激は行えていない.磁気刺激は疼痛が少ないが,刺激に用いるコイルが大きく,小さな舌骨上筋群の刺激は困難であった.われわれは舌骨上筋群刺激専用の小型コイルの開発に成功し特許を取得した. 本研究により舌骨上筋群の磁気刺激療法が摂食嚥下障害を改善させることが明らかとなれば,摂食嚥下リハビリテーションの新たな治療法を確立でき,その臨床的意義は大きい.
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