精神科医療では、入院医療から在宅医療への「地域移行」を進める体制が強化されており診療報酬改定などにも反映されている。慢性期精神病棟入院患者では、地域生活者に比してロコモティブシンドロームの有病率が明らかに高く、精神症状とともに入院生活による低活動が大きく影響している。慢性期精神病棟において長期入院患者の地域移行を実現していくためには、精神症状の安定以外に身体機能や運動機能、移動能力や日常生活活動を回復、改善する必要性が高い。精神科リハビリテーション治療では、精神科作業療法に加えて、精神科理学療法として運動療法を積極的に実施することが重要であり、リハビリテーション医学の新領域として重要である。
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