本研究では、慢性の上腕骨外側上顆炎患者の脳機能を経頭蓋磁気刺激装置を用いて評価し、肘関節の痛みと関連性を検討した。その結果、患者群では半球間抑制の指標として評価したIpsilateral Silent Period(iSP)、特に右半球からのiSPが健常群と比較して有意に増加していた。また半球間抑制バランスの指標として右半球のiSPを用いて左半球のiSPを正規化したものと痛みに有意な負の相関を認めた。すなわち、慢性上腕骨外側上顆炎患者では、左半球からの半球間抑制と比較して右半球からの半球間抑制が強くなるほど痛みが強いという傾向を示した。
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