座位保持困難な重度脳卒中患者に適応可能な理学療法の効果を明らかにするために、Pusher現象のある座位保持困難な重度脳卒中患者3名に対して傾斜座面上での座位側方リーチ練習をシングルケースデザインを用いて検証した。その結果、傾斜座面上での座位側方リーチ練習を行うことで、3例ともPusher現象が軽減し、3例中2例が座位バランス指標が即時的に改善しその効果が持続することが示された。また健常若年者12名を対象に本課題で用いた傾斜座面上での座位側方リーチ練習中の筋活動を分析し、移動と反対側の外腹斜筋や胸部脊柱起立筋の筋活動が高まることが明らかとなった。
|