我が国におけるうつ病は、5.7%の有病率とされる一般的な精神疾患である。うつ病像の判定に、問診や様々な評価尺度が用いられているが、複雑な病態を呈しており、診断や治療をに支障になることがある。うつ病の診断や治療効果の判定には簡便で非侵襲的に評価できる手法の確立が求められている中、本研究では、人間の音声に、カオス理論を応用した解析を行い、脳の覚醒度を示す指数であるCEM(Cerebral Exponent Macro)値と呼ばれる数値の算出をした。うつ病患者と健常者の音声に対して比較検討を行ったところ、両者を有意に分離することが可能であり、うつ病のスクリーニング検査として利用可能と考えられる。
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