本研究は,成熟度の個体差が著しい年代における運動能力,運動器の形態および内分泌機能(ホルモン応答)の成長に伴う変化と運動に対する適応について明らかにすることを目的に行われた.横断的な解析の結果,身体のタンパク同化作用に重要な役割を持つホルモンのトレーニング応答は個体の成熟度によって異なる可能性が示唆された.さらに,対象を思春期の中学生年代に限定して行った縦断的解析においては,テストステロン濃度は成長に伴って増加するものの,トレーニング応答は認められなかった.これらの結果から成長期男子に対するトレーニング目標や変数を身長に検討する必要性が示唆された.
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