研究課題
若手研究
発育期雌ラットにおいて,走運動と食餌量制限によるエネルギー不足は,体重,腹腔内脂肪重量,足底筋重量,ヒラメ筋重量,子宮重量,骨密度を低値とした.一方で,食餌制限条件でも走運動により,速筋繊維主体の足底筋において,骨格筋繊維の1本の面積当たりの毛細血管数や,ミトコンドリア量の指標であるComplexⅠ,ComplexⅣ,ComplexⅤの発現量が高値となった.これらの結果より,走運動と食餌量制限によるエネルギー不足は,筋の持久的な能力に関連する指標を向上させることが示唆された.
運動栄養学
本研究では,走運動と食餌量制限によるエネルギー不足は,筋の持久的な能力に関連する指標を向上させることが認められた.この結果は,競技者にとっては喜ばしいことかもしれないが,一方で,骨密度は低値となることが確認された.このことは,競技力が向上していても,怪我の危険性が高まっていることを示唆している.本研究の成果は,競技が好調な時であっても,競技者本人や周囲の人間が怪我の危険性に注意を払い,エネルギー不足が生じないように努める必要があることを示す知見になる.