歯周病は血流を介して、全身に炎症を引き起こす慢性炎症疾患である。これまで歯周病が骨折治癒にどのような影響を与えるか検討した報告はない。本研究では、歯周病モデルマウスを用いて、歯周病が骨幹端および骨幹部の治癒過程に与える影響について検討した。その結果、骨折後7日目、髄腔側に形成される仮骨の量は、歯周病モデル群において骨幹端、骨幹部ともに減少していたが、有意な差は認められなかった。14日目でも髄腔側の仮骨、骨折部の骨形成量およびBMDともに差は認められなかった。この結果から、マウスの結紮による歯周病モデルでは、骨幹端および骨幹部の骨折治癒過程が阻害されないことが明らかとなった。
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