研究課題
慢性腎臓病は、進行すると末期腎不全(透析導入)や心血管死亡などの重大な転帰をもたらす。中でも、糖尿病に起因する慢性腎臓病(糖尿病性腎臓病:DKD)は、20年近く血液透析導入原因疾患の第1位であり、現在もDKDによる透析導入患者数は高いレベルを維持し続けている。このため、患者の福祉向上に加え、医療経済的観点から、DKDの発症予防/進行抑制は喫緊の課題として、様々な試みがなされているが、未だ十分とは言い難い。最近、遺伝子工学的手法を用いた基礎研究において、骨格筋量の増加が、腎組織障害を抑制した事が示された。この結果は、腎臓病発症前からの習慣的有酸素運動により骨格筋量の低下、筋力低下(サルコペニア)を抑制することで、腎臓が障害耐性を獲得し、腎臓病を予防できる可能性を示唆している。そこで、本研究では、2型糖尿病において、習慣的有酸素運動が、DKDを予防すること、およびそのメカニズムを最新の手法で明らかにすることを目的とした。ヒトの2型糖尿病サルコペニア肥満に極めて近いSDT fatty rat を使用し、集権的走運動を行った結果、サルコペニアの進行が抑制されるとともに、糸球体病変の改善を認めた。次年度は、そのメカニズムを明らかにする。
2: おおむね順調に進展している
サルコペニア肥満2型糖尿病モデル動物において、習慣的走運動は、サルコペニアの進行抑制に加え、腎保護的に作用する事が明らかとされ、予測していた結果を出すことができた。
骨格筋組織を使用し、網羅的解析を行い、骨格筋由来のマイオカインを同定し、マイオカインの腎保護的作用の有無を細胞を使用し、検証する。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件)
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