研究課題/領域番号 |
20K19554
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
渡邉 詩香 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (40844775)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 2型糖尿病 / 糖尿病性腎臓病 / サルコペニア / 腎臓 / 骨格筋 / 運動 / 筋腎連関 / 有酸素運動 / マイオカン / 腎血流 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、運動が腎保護的に作用する可能性が指摘され、慢性腎臓病患者に対するリハビリテーションが普及し始めているが、その詳細なメカニズムや適正な運動療法(種類、強度、時間、頻度)の有り方(運動処方)については、十分な検討がされているとは言えない。そこで、本研究では、習慣的有酸素運動による糖尿病性サルコペニア予防および筋腎連関を介した糖尿病性腎臓病(DKD)予防の可能性を検証することとし、将来的には、適正な運動処方の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
近年、習慣的有酸素運動が肥満の改善や、血圧を低下させる等により、腎臓病へ好影響を与える可能性が指摘され、注目されている。そこで、サルコペニアと腎臓病を発症する2型糖尿病動物を使用し、2型糖尿病による腎臓病に対する習慣的走運動の効果を検証した。その結果、運動は、腎臓内の血管内皮細胞機能を維持し、脂質代謝を改善する事で、尿アルブミン、尿L-FABPは低下し、腎臓の炎症、線維化を抑制し、腎組織障害(糸球体病変、尿細管病変)の進行を抑制した。同時に、運動により筋力低下が抑制され、長趾伸筋の血管内皮細胞が維持され筋委縮が軽減された。今後は、腎臓病に効果的なより良い運動療法を明らかにしていきたい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢化社会では、平均寿命と健康寿命のギャップを埋めるため、健康寿命を延伸する対策が重要である。特に2型糖尿病は、サルコペニアと進行性の腎臓病を合併しやすい疾患であり、それらの進行抑制は、健康寿命の延伸につながる。本研究では、サルコペニアと腎臓病を発症する2型糖尿病動物を使用し、定期的走運動が、腎臓内の血管内皮細胞の機能を維持し、腎臓病の進行を抑制することに加え、サルコペニアを抑制することを明らかにした。これらの結果は、2型糖尿病において定期的走運動が、腎臓病およびサルコペニアを抑制し、健康寿命の延伸に寄与する可能性を示しており、今後、より効果的な運動療法や運動を模倣する薬剤の開発へ発展させる。
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