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2020 年度 実施状況報告書

地域在住高齢者における加速度計で測定した強度別身体活動と認知機能・海馬体積の関連

研究課題

研究課題/領域番号 20K19580
研究機関東京医科大学

研究代表者

町田 征己  東京医科大学, 医学部, 助教 (90848508)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード身体活動 / 海馬 / 地域在住高齢者 / 身体活動の共依存性を考慮した分析
研究実績の概要

本研究の目的は、地域在住高齢者における強度別身体活動とMRIで測定した海馬を始めとした脳の解剖学的構造の関連性を明らかにし、認知症の予防方法を検討することである。
1年目(2020年度)はまず、「十日町コホート調査」のベースライン調査で収集した加速度計データと脳MRI画像の解析を行った。加速度計データについては当初の予定通り、当該分野の研究者らが開発したExcel マクロを使用し、座位行動、 低強度身体活動、中強度身体活動、高強度身体活動の時間と量を評価した。MRI画像の解析に関しては、Voxel Based morphometry(VBM)を行うことが出来る解析ソフト:FMRIB Software Libraryを用いて解析することを予定していた。しかし、MRI画像の撮影条件などを確認したところ、VBMよりも細かく脳構造物の体積を明らかにすることが出来るSurface based morphometry(SBM)での解析も可能であることが判明した。そこでSBM用の解析ソフト:Free Surferを用いて解析を行った。解析したデータを用いて、加速度計、MRI画像のデータセットを作成した。
その後、本研究の主要なテーマである地域在住高齢者における強度別身体活動と海馬体積の関係を身体活動の共依存性を考慮した分析(compositional data analysis: CoDa)を用いて評価し、中高強度身体活動と右海馬体積に正の関係があることを明らかにした。この研究結果を国際医学雑誌: Journal of Epidemiologyにに投稿し、2021年3月に採択された。
一方、本年度は当該コホートで脳MRI検査を含めた追跡調査が実施される予定であったが、COVID-19パンデミックの影響で延期となった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1年目(2020年度)の計画は、加速度計データと脳MRI画像の解析を行うことであった。これらの解析は無事に終了し、データセットの作成も完了した。更に、強度別身体活動と海馬体積の関連をまとめた論文が国際医学雑誌に採択された。また、脳の解剖学的構造と生活習慣の関連性について解析を行い、余暇活動と解剖学的構造の関連を学術集会で報告した。
以上により、概ね順調に研究が進んでいると評価できる。

今後の研究の推進方策

2年目(2021年度)は引き続き①強度別身体活動と脳の解剖学的構造の関連性の解析、②様々な生活習慣、社会統計学的要因等と脳の解剖学的構造の関連性の解析を行い、当該研究分野の学術集会での報告を行うとともに、適切な学術雑誌へ論文を投稿する予定である。
また、当該コホートで追跡調査が実施され脳MRI画像検査が行われた場合は、その解析も行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19パンデミックにより、本年度予定されていた当該コホートでの脳MRI画像検査を含む追跡調査が延期となったことに加えて、各種学会、研究会が中止となったため、支出が予定よりも大幅に少なくなった。
コホート調査については、2021年度に改めて実施予定であり、本年の繰越分をこの調査費用に当てる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Objectively measured intensity-specific physical activity and hippocampal volume among community-dwelling older adults2021

    • 著者名/発表者名
      Machida Masaki、Takamiya Tomoko、Amagasa Shiho、Murayama Hiroshi、Fujiwara Takeo、Odagiri Yuko、Kikuchi Hiroyuki、Fukushima Noritoshi、Kouno Mitsuo、Saito Yu、Yoshimine Fumitoshi、Inoue Shigeru、Shobugawa Yugo
    • 雑誌名

      Journal of Epidemiology

      巻: - ページ: -

    • DOI

      10.2188/jea.JE20200534

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 余暇活動のバリエーションと脳容積の関係:NEIGE study2021

    • 著者名/発表者名
      飯塚あい、村山洋史、町田征己、天笠志保、井上茂、藤原武男、菖蒲川由郷
    • 学会等名
      第32回日本疫学会学術総会

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公開日: 2021-12-27  

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