研究課題/領域番号 |
20K19580
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
町田 征己 東京医科大学, 医学部, 講師 (90848508)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 身体活動 / 余暇活動 / 海馬 / 扁桃体 / 地域在住高齢者 |
研究実績の概要 |
昨年度は中高強度身体活動と右海馬体積に正の関係があることを明らかにした。本年度も対象者の脳構造物体積のデータを用いた解析を継続して行った。十日町コホート調査に参加する研究者と共に脳構造体積・認知機能に関連する心理的・身体的・環境要因や、身体活動とそれらの関係について解析を行った。その一つとして、余暇活動と海馬体積の関係について解析を行い、その結果、高齢者の余暇活動(10種類:身体活動・ゲーム・旅行・創作活動・文化活動・開発活動・子育て活動・歌唱・ギャンブル・技術的活動)について、活動の種類が多いことと総海馬体積・総灰白質体積に正の関連があることを明らかにした。この研究結果は国際医学雑誌: Frontiers in Aging Neuroscienceで2021年11月に発表され研究代表者も共著者となった。また、逆境的小児期体験が高齢者の前帯状皮質の体積と正の関係が、海馬、扁桃体の体積と負の関係があることを明らかにした。この研究の共著者となり、研究結果は国際医学雑誌: Child abuse & neglectで2022年1月に発表された。さらに、媒介分析を用いて、「感謝の気持ちを持つこと」が、認知機能と正の関係があり、この関係を扁桃体の体積が媒介していることも明らかになった。この研究結果は国際医学雑誌: Archives of Gerontology and Geriatricsで2022年1月に発表され研究代表者も共著者となった。 また、本年度は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの影響で去年度延期となった、十日町コホート調査の追跡調査を開始した。2021年10月から11月にかけて、加速度計による身体活動量の測定や認知機能・身体機能の評価、問診による生活状況の評価などを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では、①強度別身体活動と脳の解剖学的構造の関連性の解析、という主目的とともに、②様々な生活習慣、社会統計学的要因等と脳の解剖学的構造の関連性の解析についても行っている。①についてはすでに、強度別身体活動と海馬体積の関係を前年度に国際医学雑誌に報告をしている。また、②については本年度に様々な研究結果を国際医学雑誌に報告できた。 一方で、COVID-19パンデミックの影響が本年度もあり、昨年延期となっていた追跡調査を本年度開始できたものの、頭部MRI画像検査などすべてのデータ整理が完了するのは来年度になる見込みとなっている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も追跡調査を継続するとともに、測定したデータの整理及びデータセットの作成を行っていく。特に頭部MRI画像検査については、ベースライン調査時のデータと連結を行ない縦断的な解析が出来るようなデータセットを構築する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19パンデミックの影響により、本年度開始した追跡調査のデータ解析等の一部作業が次年度まで継続することとなった。また、当初予定していた海外での勉強会や学会等も中止やオンライン開催となったため、支出が予定よりも少なくなった。次年度ではベースライン調査及び追跡調査の頭部MRI画像検査データの連結作業などを予定しており、本年度の繰越分をこの調査費用等に当てる予定である。
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