本研究は高齢者の身体活動と海馬体積の関係を明らかにすることを目的とした。先行研究の問題点である(1)ボランティア参加者を対象とする研究が多い、(2)身体活動の測定に質問票を用いる研究が多い、(3)統計解析時に強度別身体活動の共依存性を考慮していない、ことを考慮し、無作為抽出した地域在住高齢者における、加速度計で測定した座位行動や強度別身体活動と海馬体積の関係を共依存性を考慮した分析方法で明らかにすることを目指した。横断研究の結果、中高強度身体活動は右海馬体積と正の関係があることが明らかになった。一方で、座位行動や低強度身体活動は左右海馬体積と関連が認められなかった。
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