本研究では、トップアスリートの驚異的な身体運動の巧緻性を支える脳の可塑的変化が競技特性や競技力によってどのように異なるのかを検討することを目的とした。そのため、特徴の異なる競技選手を対象として、3テスラMRI装置を用いて、競技ごとの脳構造の特徴を明らかにした。その結果、1) 野球選手における小脳の白質構造の増大、2) スキー選手における頭頂葉の灰白質構造および白質構造の増大、競泳選手における小脳、視床下部の増大、背外側前頭前野、楔前部の競技力依存的な灰白質の変化といった競技特性を反映していると考えられる脳構造(局所灰白質体積、白質横断面積)の特徴を抽出することができた。
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