骨格筋量を維持するためには、鉄代謝とミトコンドリア代謝の関係が重要である。これまでの研究では、鉄欠乏がミトコンドリアの機能低下や筋細胞の異常を引き起こすことが示されている。本研究では、鉄量の変動が筋細胞の代謝にどのような影響を与えるかを調査した。結果として、鉄キレート剤であるDFOの処理によってミトコンドリアのタンパク質やたんぱく質合成のバランスが低下し、筋機能も低下することがわかった。また、筋萎縮モデルでは、鉄量の変動が筋萎縮関連遺伝子発現に影響を与えることも示された。これらの結果から、筋細胞内の鉄代謝とミトコンドリア代謝の相互関係が筋萎縮の発症に関与している可能性が示唆された。
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