研究課題
若手研究
申請者は抗老化・寿命延伸効果を示すカロリー制限(CR: Caloric Restriction)により脂肪細胞において発現誘導されるミトコンドリア関連因子として、MIPEPとPGC-1αを同定した。本研究は、両者がミトコンドリアでの変化を起点として核内の転写制御に影響を及ぼすレトログレードシグナルを介して、CRによる脂肪細胞の質の改善に関与するという仮説に取り組み、その一部を明らかとした。
分子代謝学
CR による抗老化作用は、人類にとって魅力的なものであるが、実際に実験動物で行われているような長期間のCR を実践することは難しい。それゆえ、その作用の分子メカニズムの模倣は健康寿命延伸の有効な戦略である。本研究の成果により、CR模倣の候補分子といえるMIPEPとPGC-1αの脂肪細胞機能への実際の寄与を明らかにするとともに、ミトコンドリアを起点とする新たな脂肪細胞の質的制御の一端を提唱することができた。